2011年3月16日水曜日

「KAGEROU」齋藤智裕

一日一冊。
基本的なコンセプトとして、生きている作家の作品は読まない。
がっかりする&時間の無駄だから。
村上春樹、宮本輝は除外。
春樹は好き。輝はそれほどがっかりしないから。

というわけで、古典や名著ばかりを読み漁る毎日ですが、
最近この方針を自ら破りまして「KAGEROU」を読みました。

酷評ですね、アマゾンのレビュー。
原因として、文章力の拙さが一番ではないでしょうか。
人物描写、背景描写など、あまりに情報が少なく、
これでは小説ではなく漫画か何かを読んでいるようです。

しかし、敢えてわたしは言いますが、この本は良く書けています。
ストーリー、十分に面白いと思います。
素直な人が書いた、素直な小説。
そんな印象でした。

もっと面白く読ませようとするなら、もっと意地悪い設定やダイナミックな展開も必要でしょうが
作者自身がとても素直なせいか、登場人物はやさしい人ばかり、不幸に不幸を重ねるような展開はありません。

この本はそれでいい気がします。
さらりと読んで、ふわっと心温める、そんな感じでしょうか。

ただ、タイトルは変えたほうがいい。
「KAGEROU」?なんのこっちゃ。

0 件のコメント:

コメントを投稿