2010年5月2日日曜日

現在の行動が未来の結果

2010-60

アルバイト先のカフェで
同じく仕事を探しているフリーターの男の子がいる。
年齢はわたしよりひとつ年下。
5月9日で30歳になると聞いた。
毎朝、早朝から一緒に働いている。

わたしの就職先が決まり、何気なく
「N君の就活の進行具合はどうですか」
と聞いてみた。

「いやぁ、全然ですよ」
と彼は答える。


「どんな職種を希望しているの?」

「うーん、決まってないけど一日デスクワークしているのは嫌なんで。」

「デスクワークじゃない仕事って・・・カフェみたいなお店ってこと?」

「いや、お店じゃなくて、外回りとか。」

「外回り・・・営業?」

「そうっすねぇ。営業がまあ一番向いてるかなぁ~と。」

「ふーん、大変そうだねぇ」


という会話をしながら、
わたしはN君が営業で外回りしている姿を想像してみた。

そしたら、ダラダラと歩きながら営業している姿が思い浮かんだ。
ダラダラ営業し、顧客や上司の愚癡を言い、成績はぜんぜんあがらない。
「まあ所詮、仕事なんてつまらないものだよ」と悟ったような声で言う姿まで
なんともリアルに思い浮かぶ。

念のため、営業じゃない職種で、つまりデスクワークしている彼も想像してみた。
でもやはりダラダラとデスクワークしている姿が思い浮かんだ。
何かのシステム異常が発生して
「クソっ。またかよ、めんどくせー」とひとり言をつぶやく彼も想像できた。
後輩が仕事を聞きにくると
「あ、これは本来はこうしなきゃいけないんだけど、まあ、テキトーに。」
と教える彼の姿。
上司に何かを咎められて言い訳する彼の姿。



結局、N君に関してはたとえそれがどんな職種であったとしても
ダラダラ仕事する姿しか想像できない。
それはわたしが普段、目にするN君の姿そのものだった。

わたしはN君に関して、悪意も敵意もまったく持ち合わせていないけれど
ニュートラルな頭で想像しても、未来のN君の働く姿は常にダラダラしている。

彼は不真面目に仕事をしている訳じゃない。
やらなければならないことはきちんとこなしている。
仕事ができないほうではない。
ただ、いつだって
「隙さえあればちょっとだけ手を抜こうとしている」 状態だ。
N君は常日頃から努力を惜しむ。

それがダラダラした姿の原因だと思う。
それは顔にも動作にも態度にも端的に表れる。
何かにつけて「緩慢さ」が見て取れるのだ。
それは既に、N君の最大の特徴のようにわたしにインプットされている。

ふと、自分はどうだろう?と思う。
普段のわたしを見ている誰かは、
わたしの仕事振りをどんなふうに想像するだろうか。


そう思い巡らして、
突然いつも以上にキビキビ動き出したわたしを
N君は不可解な顔をして見ていた。

わたしは知っている。
現在の行動が未来の結果であると。
今の自分の姿が、未来の自分の姿の紛れもない一部であると。

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