2010年5月8日土曜日

お金の払い方

2010-65

何か商品なりサービスを購入したとき
普段お店でどんなお金の支払い方をしているか
意識したことはありますか。


わたしの母親は
「お金の支払い方に人間性が出る」
とよく言っていました。
というのも、母はいわゆる学研のおばさんだったからです。
まだわたしが小学生の時分ですが
毎月、学研の「科学」と「学習」というそれぞれの教材が
地域の1年生から6年生の分までどっさり届いて、
それを車に乗せて配達するのが母の仕事でした。

当然月末になると、その分の代金を集金に伺います。

「毎月、必ず月末に集金に行っているし、金額も毎月同じよ。
封筒に代金を入れてつり銭が必要ないように用意している人もいれば
『おいくらでしたっけ?』と慌てて玄関先でお財布からお金を出す人もいる。
そのお金の渡し方も『いつもどうも』と言ってくれる人もいれば
いかにも嫌そうに、しぶしぶ無言でお財布からお金を出して
『そんなにこの金が欲しいか?欲しけりゃくれてやる』みたいな表情で
投げるように渡す人もいる。
こちらとしては単に集金しているだけで
別にお金を恵んでもらっているわけじゃないのによ?
お金の支払い方には本当に人間性が出るわ。
気をつけないさいね」

こんなふうに言われた記憶がある。
それが強く印象に残って、
わたしの中に人間観察のひとつの判断基準を作った。

確かに、レジでお金を投げる人はたくさんいる。
たくさんいる、と書いたが
本当に、信じられないくらい、マジでたくさんいるのだ。
この場合、わたしが「投げる」と表現するのは
レジにある、お金を支払うトレーもしくは直接レジ台に向かって
ある程度の高さからお金を放り投げるよぅな仕草をさしていう。

それが千円札だろうが500円玉硬貨1枚だろうが328円だろうが
お構いなしだ。
お金を投げる行為は男性に多いが、女性でもやる人はやる。
たまたまその日だけ、というのではなく
お金を投げる人は常に投げる。

その人相もステキとは言い難い。
少なくとも柔和な表情はしていない。

商品の購入と代金の支払いは権利と義務から生ずるもので
無意味で退屈でバカバカしい行為だとでも言いたそうな表情だ。
高慢で尊大な態度にも映る。
無言でお金を投げる光景に、
アフレコで「ほらよ」と吹き変えてもいいくらいだ。
とにかくその表情も動作もまったく幸せそうではない。


また、紙幣を小さく畳んだ状態のままで支払う人がいる。
財布の形状に合わせて八つ折された小さな正方形のかたまりを
ポイ、と投げる。

これをおもむろにつまんで、
両手の親指と人差し指ですばやく開いて
ようやく「千円お預かり致します」と言うことになるんだが
その時わたしが手にしているのは皺だらけのクチャクチャな千円札だ。
受け取っても、もはやつり銭にはできない。
レジの一番下のほうに滑り込ませて、
つり銭として使われないように配慮するくらいだ。

財布の形状で仕方ないにしても、
畳んだ紙幣を広げてから出すのが礼儀じゃないだろうか。
つまり、どんな財布を使おうとあなたの自由。
だからお金を小さく畳むのはあなたの自由だけど、
他人に渡す際にはせめて紙幣の本来あるべき姿に戻せ、っつー話。
個人的感覚としては、紙幣を小さく折りたたむのは嫌い。
お金は、割り箸の袋やガムの包み紙とは違うんだから、と思う。

そして、レジでしわくちゃの紙幣を出す女性にひとこと言いたい。


色気ないよ。



どんなにキレイな服を着て、ばっちりメイクして、
ブランドのバッグをひっさげて、ハイヒールでカツカツ歩いても
しわくちゃなお金をポイと投げてたら詰めが甘いと言わざるを得ない。
イイ女度低いわ、それ。
お金に汚く見える。

美しい人はお金の払い方も美しいですよ。

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