よく一人で空を見た。
寒い冬の朝のベランダ。冷たいサンダル。肺が痛くなるほど白い息。
よく一人で星を見た。
寂しさのかたまりのような硬い光だった。
よく一人で風に吹かれた。
ひとりぼっち、というささやきが聞こえた。
半年間、言いたいことを結局何も言わなかった。
言えなかった。
ただ、ひたすらすべてに耐えた。
打算的でありながら、非常に忍耐強くもあった。
とにかくさびしかった。
よく一人でに涙が落ちた。
一日の中に、永遠の寂しさが凝縮していた。
自由のない生活。
喜びのない生活。
希望のない生活。
入ってきた場所にもう出口はなかった。
出口のない生活。
自力で飛び出してくるしかない最終手段。
少し思慮深くなったわたしは、後足で誰かを蹴ったりしないように気をつけた。
そして、いまここにいる。
あの時、言わなかった言葉たちは消えてなくならなかった。
力づくで、ぐっと飲み込んだ半年分の自己主張は、わたしを無口にしたけれど
ある時、ふと気づく。
語られなかった言葉たちを語る場所をつくろう。
葬り去られたあの悔しさ、あの悲しさ、あのつらさ。
誰にも打ち明けられない正直な気持ち、誠実さ、真剣さ。
わたしは「つらい」という体験をした。
「悲しい」も「寂しい」も「助けてくれ」もセットで味わった。
半年後に、わたしはすべてを希望に変えた。
ものすごい馬鹿力を出して、自分を変えた。環境を変えた。
今まで言えなかった何もかもを
「い・や・だー!」の3文字に変換して叫ぶ。
半年分の忍耐は、猛烈な突破力になった。
それで、いまこうして笑っている。
よし、何か書こうという気になった。
言葉にならない喜び、語りつくせない希望、声にならない寂しさ。
そういう言葉たちをさがしている。
葬り去られたすべてを
抱きしめるように書きたい。
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