2010年10月23日土曜日

「リア王」シェークスピア

シェークスピアの面白さは半端ない。
時代を経てもなお色褪せない。
気分が乗らないときはシェークスピアに限る。
眠れない夜はいっそ寝ないでシェークスピアだ。
何度読んでも好きになる。
ほんと、天才。

一番の魅力は、その格調高い言葉の数々だろう。
新訳は非常に読みやすかった。

リア王は悲劇の物語。
ブリテンの王とその3人の娘のお話。
テーマは忘恩、裏切り、親不孝。

結局全員死んでしまう。

悲劇があらゆる虚飾をむしりとって本質だけを浮き彫りにしていく。


知恵も美徳も、邪悪な者の目には、ただ邪悪としか見えぬもの。
汚れた者の口には、汚れた味しか美味とは感じぬ。
なんということをしでかしたのだ、お前ら二人は。
娘ではない、虎だ。
父親を、それも、あれほどにも情け深い老人を―――
鎖に繋がれ、いきり立っている熊ですら、うなだれてその手を舐めたであろうものを、
お前らは、まことに無残、冷酷にも、狂気にまで追いやってしまったとは!
いやしくも人間のすることか。
もしも天が、ただちに精霊を地上に降し、人間の目にありありと見える報復の天使を放って、
かかる悪逆の罪を仮借なく罰したまわなければ、見ているがいい、
人間は、必ずや深海の怪物そのまま、おのが同類をむさぼり食らう惨状を呈するに違いない。



忘恩こそ、犬畜生にも劣る人間のもっとも醜い恥辱。


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