2010年10月15日金曜日

どんな人がタイプ?

今日は職場の派遣の女の子と一緒にカフェランチに出かけた。
同い年。彼氏ナシ。見た目はスレンダーでかわいい。
靴が大好きな彼女。
いつもピカピカで攻撃的な9センチのヒールを履いている。
そして、早く結婚したい、という。


「どんな人がタイプ?」と聞いてみる。

「職業に弱いんだー。」
新しいブランド靴のかかとの減り具合を確かめながら答える彼女。

「職業?お医者さんとか?」

「うーんとね、美術とかデザインとか、センスがあるヤツに弱い」

「あーなるほど。クリエイティブな感じがいいのね?」笑いながら聞いてみた。

「そうそう!クリエイティブ!こないだWebクリエイターと知り合いになったんだ。
友達が連れてきた人で、顔はいまいちなんだけどフリーランスなの。それで俄然食いついちゃった」

「なんか分かるかも。わたしも昔、カメラマンと付き合ってた。才能あると魅力的だよね」

「そうなの!ほかの人ができないことをやってる人はすごいなーって」

「で?その人とはどうなったの?」

「連絡先交換したんだけど、既婚者なんだよねぇ」
残念そうに笑う。
男の人は結婚してても、かわいい女の子と連絡先交換しちゃうんだなー。
そいつの首を絞めてやりたい。

「ダメじゃん。それはあきらめないと。」

そうだよねぇ、と相槌が返ってくる。

「ねぇ、そっちはどんな人がタイプなの?」
ストローでグラスをくるくるかき回しながら質問してくる。

「そうだな、一生懸命仕事をしている人かな。どんな職業でもいいけど、一生懸命度が重要」

「あー分かる。真剣に仕事してる男の人ってかっこよく見えるよねー」

「その人がどれだけその仕事に全力投球しているかって、見てて分かるじゃない?」
うんうん、と彼女。

「大抵の人はちょっとずつ手を抜いてる気がする。
仕事の結果には表れないかもしれないけど、本気度のオーラが弱いような。
稀に本気出してる人がいるのを見つけると、おおー、すごい。
その仕事にそこまでがんばれるんだって感心する。それがポイントかな。」

彼女はなるほどねー、とうなずいてくれる。

「いまそういう人いないの?」
と聞いてきた彼女にわたしは即答した。

「いないね。滅多にいるもんじゃない。そういう人は探さなくても光ってるから。」

確かにね、そうつぶやくと彼女は大げさにため息をついた。
見つけたら報告するよ。
いるといいね、と励ましてくれた。

私たちはカフェを出た。
カツカツ音を立てて歩く彼女の横を歩きながら、彼女は素直でいい子だな、と思った。

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