今日は職場の派遣の女の子と一緒にカフェランチに出かけた。
同い年。彼氏ナシ。見た目はスレンダーでかわいい。
靴が大好きな彼女。
いつもピカピカで攻撃的な9センチのヒールを履いている。
そして、早く結婚したい、という。
「どんな人がタイプ?」と聞いてみる。
「職業に弱いんだー。」
新しいブランド靴のかかとの減り具合を確かめながら答える彼女。
「職業?お医者さんとか?」
「うーんとね、美術とかデザインとか、センスがあるヤツに弱い」
「あーなるほど。クリエイティブな感じがいいのね?」笑いながら聞いてみた。
「そうそう!クリエイティブ!こないだWebクリエイターと知り合いになったんだ。
友達が連れてきた人で、顔はいまいちなんだけどフリーランスなの。それで俄然食いついちゃった」
「なんか分かるかも。わたしも昔、カメラマンと付き合ってた。才能あると魅力的だよね」
「そうなの!ほかの人ができないことをやってる人はすごいなーって」
「で?その人とはどうなったの?」
「連絡先交換したんだけど、既婚者なんだよねぇ」
残念そうに笑う。
男の人は結婚してても、かわいい女の子と連絡先交換しちゃうんだなー。
そいつの首を絞めてやりたい。
「ダメじゃん。それはあきらめないと。」
そうだよねぇ、と相槌が返ってくる。
「ねぇ、そっちはどんな人がタイプなの?」
ストローでグラスをくるくるかき回しながら質問してくる。
「そうだな、一生懸命仕事をしている人かな。どんな職業でもいいけど、一生懸命度が重要」
「あー分かる。真剣に仕事してる男の人ってかっこよく見えるよねー」
「その人がどれだけその仕事に全力投球しているかって、見てて分かるじゃない?」
うんうん、と彼女。
「大抵の人はちょっとずつ手を抜いてる気がする。
仕事の結果には表れないかもしれないけど、本気度のオーラが弱いような。
稀に本気出してる人がいるのを見つけると、おおー、すごい。
その仕事にそこまでがんばれるんだって感心する。それがポイントかな。」
彼女はなるほどねー、とうなずいてくれる。
「いまそういう人いないの?」
と聞いてきた彼女にわたしは即答した。
「いないね。滅多にいるもんじゃない。そういう人は探さなくても光ってるから。」
確かにね、そうつぶやくと彼女は大げさにため息をついた。
見つけたら報告するよ。
いるといいね、と励ましてくれた。
私たちはカフェを出た。
カツカツ音を立てて歩く彼女の横を歩きながら、彼女は素直でいい子だな、と思った。
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