久しぶりに兄に電話した。
「おまえの言い分は分かるけれども、今回のことはおまえが全部ひっかぶれ」
と父に言われた兄。
「パパにこう言われたんでしょう?あのね、親の言うこと、聞かなくていいよ」
「えっ・・・」という言葉が返ってきた。
「お兄ちゃんにはお兄ちゃんの言いたいことがあるんでしょう?」
兄はしばらく黙っていた。
「あのね、言いたいことがあるなら言ったほうがいいと思う。今までずっと我慢してきたんでしょう?」
「・・・うん、まあ・・・ね。」
「自分の言いたいことが言えないのは、つらいよね」
「・・・」
兄はぽつりぽつりと、自分の思いを話し出した。
努力してきたこと。うまくいかなかったこと。
誰にも言っていない、正直な気持ち。
こんなにたくさん考えている人だったのか。
兄は周りの人のことを考えていた。
やさしい人。
周りの人を思いやるやさしさと、そういった環境に流されてしまう弱さ。
ぴったり裏と表。
強くなれ。
妹は、もっと乱暴な方法で、周りをぐちゃぐちゃに引っ掻き回して
大惨事にして、親に勘当されて、それでようやく仲直りしたんだぞ。
たくさん悲しみ、たくさん悲しませ、たくさん謝ったよ。
「親を悲しませたくない。でももう悲しませてしまっている」
そう言う兄に、「きっと、大丈夫だよ」と言った。
大丈夫、これから取り返せるよ。
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