2010年9月11日土曜日

命と引き換えに○○を救えるとしたら

ねえ、馬鹿げてるって思われるかもしれないけど、
もし自分の命と引き換えに何かを救えるとしたらどうだろう?

何を救う?
もっといえば、何と引き換えなら、自分の命を差し出せる?

たとえば、一輪の野花を救える。
たとえば、一羽の小鳥を救える。
たとえば、一人の親友を救える。

たとえば、一つの惑星を救える。

「羊をめぐる冒険」(村上春樹著)では、世界は羊による支配から救われた。
一人の人間の死によって。

命と引き換えにしなければ救えないものがあるのかもしれない。

もしかしたら、自殺する人には2種類いるのかもしれない。
自分に負けた人と自分に勝った人。
仏教では、自死は地獄に堕ちると説かれているらしいが、これは方便かもしれない。
安易な自殺を否定するための、有刺鉄線みたいなもので。
邪悪なモノを完膚なきまでに葬り去るために自ら命を絶つという死も
本当はあるのではないだろうか。
それによって、確実に救える尊いものがあるとしたら。

人の細胞は毎日確実に生まれ変わっていく。
わたしも毎日確実に死んでいる。そして生まれている。
歌を歌う人が、その声を出すことによって、その人の一部の細胞が死滅しているかもしれない。
一方で、その声を聴くことによって、聴く人に新しい細胞が生まれているかもしれない。
生と死はつながっている。
別々の肉体でさえ、音楽によって互いの細胞の生死がつながれている。



死を、肯定的に扱えるのは、本物の宗教と本物の芸術だけかもしれない。
そこには道がある。
「死んだら終わりだ」という発想から抜け出すための、
生命の躍動の道。

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