2010-57
早朝のバイトに向かう道を東に向かって歩く。
少しきつい坂をのぼりきると
新鮮な空気の中を目覚めたばかりの太陽の
最初の光が泳ぐ。
今日もわたしは太陽とほぼ同時に働き出す。
うれしい。
時給950円で
東京のど真ん中の、まだ誰も汚してない朝の
きれいな空気を吸える権利を手に入れた。
長い坂をぐんぐん下って
ごちゃごちゃした駅前に着くともう
店の前に出された大量のゴミの臭いで
昨夜の喧騒を想像して嫌気が差してしまうから
そこまでたどり着く前に
一日分の酸素を吸っちゃおうって気持ちになる。
この気持ちはあまりにも清々しいから
誰かに伝えたくても言葉では伝えられない。
この空気はあまりにも新鮮だから
すべてを喜びに変えてくれる。
良かった。
ふとんを蹴って無理やり起きた甲斐があった。
働くってすばらしい。
わたしラッキーだな。
世界で一番ラッキーだな。
あのビルよりまだまだ低い太陽と一緒に
この角を右に向かって南に向かおう。
よし、今日も一日頑張るんだ。
こういう気持ちが次々浮かんで
ウキウキしながら早足でバイトに向かう。
どんなに疲れていても
毎朝、感謝の気持ちになる。
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