2010-50
ある日、ヒョロヒョロの細長い草を見つけた。
もうそろそろ形のよい葉っぱをめいっぱい広げて
見てくれ、こんなに成長したぞと言える年頃なのに
青々とせず、背筋も伸ばさず
葉っぱをダラリとさせてうなだれていた。
疲れてるような表情で、ヘロヘロとしぼんだ草。
少し世の中が恨めしそう。
一体、誰が水をあげ忘れたの。
僕は誰にも縛られたくない、自由にカッコ良く生きたいんだと
どこにも根を張らずに居たら、みんなから忘れ去られたの?
なんでこんなになるまで平気でいられたの。
失敗を恐れて何もせずに言い訳ばかりして
あなたは本当に意気地なしだなぁ。
今まで出会った人の中で、一番の意気地なし。
恐る恐る私の目を見たあなたの目に
うっすら光が見えた。
暗闇から小さな懐中電灯で
何か探している?
きっと探しているものは、これでしょう?
すぐに教えてあげたいけれど
臆病者のあなたはそれを見る前に逃げ出しちゃうね。
現にもう、片足が逃げ出してる。
一番上までいけば素晴らしい景色が見られるのに
長く続く階段を一目みただけで、あなたは一段も昇らないタイプ。
だから今、私はあなたのためにスロープみたいな道を考えるよ。
ついでに手すりもつけちゃうよ。
ほんの最初だけ。
ぐんぐん手を引っ張って
一緒に階段を駆け上ってくれる本当の仲間に出会えるまで。
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