2010年8月3日火曜日

はたくはたらく

仕事がひどく退屈になってきた。
ごくごく限られた狭い範囲の単純な内容を
あまり頭も使わずにこなしている。
恐ろしく仕事量は多いのに、中身は薄い。

それで、いかに仕事時間を退屈せずに過ごすか、
について苦慮するようになった。
ふと、1時間でできることを2時間でやってみる。
あれ、それじゃ、サボってるだけじゃん。

それで、1時間でする内容を集中して30分で終わらせる。
次の仕事も、その次も、明日やる分も、来週でも良いものをも。
そして書類の束が次々片付いて、もう、1枚の書類もなくなった。
ただしまだお昼を少し過ぎたところだ。
定時まで数時間ある。なのにやることがひとつもない。

あまった時間をもてあます。
さて困った。
確かに今朝、今日か明日にでもやらなければならないことはたくさんあったはずなのに
すでに終わってしまった。
人知れず、ひっそりと、一人きりで「ああ今日一日が長い」と感じる。
もう、入力するべき書類も、片付けなきゃならない雑務も、見当たらない。
かといって、新しい創造的な仕事はわたしにはひとつとしてない。

たとえば、新しい企画を考えるとか、アポを取るとか、原稿を書くとか。
そういう仕事はない。

かかってきた電話を即座にとる。与えられた仕事のひとつだ。
しかし相手は基本的に私に用事があるわけではなく、私は電話交換手のような役目。

この派遣はつまらない。

なぜ?
期待していたほどのスキルは身に付かないとすぐに分かった。
むしろなぜこの仕事にコレだけの高い時給が払われているのか疑問だ。
私に与えられた仕事は大量にあるけれど、能力的に人並みあれば卒なくこなせる。

早く終わらせたからといって褒められるわけではない。
まさか上司に「もうやることがなくなりました」とは言えない。
そんなこと言われたらきっと上司だって困る。
それこそ空気読めよ、となる。
与えられた仕事を与えられた時間内に「まんべんなく」やってくれたらいいのだ。
「派遣なんだからそこまで頑張らなくていいよ」という台詞は
すべての人の共通理解だと知る。

こういう雰囲気で職場は成り立っているのだ。
1日の仕事とそれにかかる時間はほぼ想定されていて、
想定内で終わらせればいいのだ。
誰も予想外に早くやることを望んでいない。
契約によって仕事内容が細かく規定されているわたしに、
別の仕事は用意できない。
それどころか「激務でしょうけれど」と言われる始末。
さも大変そうに、さも時間が足りなさそうに仕事をしなければ
なんか妙な空気になってしまう。


気が付けば、パソコンの画面を見つめながら
「働く」ことについてぼんやり考えていた。

働くは「傍を楽にする」というんだ。

その反対は・・・はたく?

傍を苦しめる、叩く(はたく)・・・。
おお、確かに。
「あんたのは『働く』じゃない、『はたく』だ!」
という人が周りにいる。

あの人は「はた楽」。あの人は「はた苦」だな。
なーんて見回してみたり。

働く、働く・・・

ああ、働きたい!
働いて働いて
「ああ、今日も一日よく働いた!」と言いたい。
満足して一日を終えたい。

1 件のコメント:

  1. 自分の主張や表現がしづらい仕事はツラいですね。。。
    その気持ちが正社員と呼ばれてる人にあればなぁ、と
    思いました。

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