2010年8月16日月曜日

怒り

相手が余りに無礼なことを何の遠慮もなく言ったので
私の動きがピタリと止まった。

さっきまで軽いジャブのような侮辱も笑って聞き流していたが
これも同じように半笑いで聞き流せばいいのだろうか?
ジョークと侮辱。その境界線は?
このまま怒っていいものか、それとも・・・。

いいや。
これはいくらなんでも許せん。
言葉を単なるジョークとしてとらえるにも
限度があろう。

言葉の暴力。
それは乱暴な言い回しだけが相手を傷つけるのではなくて
軽く言おうが、柔らかく言おうが、
そこに込められた意味によって判定されるのだ。
どんな使い古された言葉でも
バカ!だろーがアホ!だろーが
お前のかーちゃんでーべーそ!だろーが
許せる意味と許してはならない意味とがある。

まさにそんな類の言葉だった。

私はできる限り短い言葉で自分の怒りを最大限に表現した。
きっぱり、直球で、余計な意味を持たせないように気を引き締めながら
「それはあまりに失礼だ」と言った。

失礼。
それしか言いようがない。
人間と人間の境界線をこんなふうに踏み越えてはいけない。

後日、相手から
自分はあの時こんな素敵なことを考えながら
これこれこんな意味で言ったのであって決して侮辱するつもりはなかった、
だから許してほしい。
というメールが来た。

自分の言った最低な言葉を自分の都合の良い意味にすっかり変換していた。
その自己弁護の姿勢があまりにも卑怯で無様なのでひどく残念に思った。
せめて謝るときぐらい正直さを引っ張り出してこれないのかこいつは。

一度相手の顔面を思いっきり殴っておいて
あのときのパンチにはこんな素敵な意味がありました。
でもごめんなさいね、許してね。
と言われて、ああなーんだそうだったのか、じゃあもういいよ。
なんてなるわけない。
心の狭い私ならなおさらない。

私は許すも許さないも答えずに、
後から何をどう飾り立てようと
あの場で言われた意味はあの言葉のとおりだった。
自分の発言には責任をもったほうがいい。
私はずっと忘れないから。
と返した。

それでいい。
正当な怒りを表明した。
もうそれで自分は納得した。
あとは私自身の問題だ。
二度とそんな言葉を誰にも言わせない自分になるだけだ。

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