2010年8月29日日曜日

「蛍川」「泥の河」宮本輝

「蛍川」―これは美しい小説。
宮本輝、天才か。

それにしても、宮本輝の小説ではあっけなく死ぬ人が必ずいる。
用水路に落ちた中学生が死体で浮いていたり、おじいさんが荷車の荷の下敷きになったり。
登場人物がひとり、あっけなく死ぬ。

そこにぽっかりと穴があく。ひとり分の空間ができる。
みんなその喪失感を抱きながら生きていく。
あっけなく死ぬことでこの喪失感に埋めようもない永遠性がもたらせる。


一度死んでしまったら、二度と生き返らないからね。

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