2010年8月19日木曜日

夏の100冊文庫キャンペーン

夏休みの100冊にはどんな本があるかしらと思って
集英社文庫と新潮文庫のリーフレットを手にとってみたけれど
いやー驚いた。
なに、この、ふしぎな選び方は。

ためしに新潮文庫100選で数えてみるとそのジャンル別の内訳は
「名作」・・・・・33冊(「坊ちゃん」「羅生門」「友情」などなど)
「現代文学」・・・44冊(「東京タワー」「海辺のカフカ」「博士の愛した数式」などなど)
「海外文学」・・・16冊(「十五少年漂流記」「変身」「罪と罰」などなど)
「エッセイ・ノンフィクション」・・・13冊(「深夜特急」「こころの処方箋」などなど)

あれ?100冊以上ある。だがリーフレットの隅に
「新潮文庫の100冊はキャンペーンの総称です」と小さく書いてあるので
細かいことはまあ気にしないことにする。

あのね、ちょっとおかしくないですか。海外文学16冊って。
9割が日本作品かよ。海外文学のどこがいけないっていうんですかあなた。
名著がたくさんあるじゃないかー!
シェイクスピアやユゴーやトルストイはなぜ選ばれないのだ。
ゲーテは小説じゃなくてなぜ「ゲーテ格言集」が選ばれるのだ。
わけわからん。どうなってるの。
あとね、現代文学多すぎじゃないですか?44冊て。
過去の名作よりも多いのですか。ああそうですか。
ちょっと前から最近にかけて映画化された作品ばかりじゃないですか。

これなら売れそう、みたいな真似はなんだかなぁ。
夏の100冊って出版社のもっと良心的な試みかと思っていたのにすっかりだまされたなぁ。


ぶーぶー言っても仕方がないので100選の棚から2作、他から2作を手にとり家路へ。
早く読みたい、早く読みたいとウキウキしながら帰りにコンビニの前で
「ふうちゃーん!」と呼びとめられる。
振り向くと最近親しくなった友達が向こうからやってきた。
「今帰り?これから近所の友達呼んで女の子だけでうちでご飯食べるんだけど来ない?」と彼女。
「え!ほんと!」と嬉しそうな顔で返答しつつ、
頭の中ではこれから真っ先に始めようと思っていた至福の読書と天秤をかけていた。

「うーん、どうしよっかなぁ。ご飯買ってきちゃったし・・・。
 ・・・どうしよう、うーん、じゃあご飯は家で食べるからあとで顔だけ出すよ!」
といって一旦家に帰るなり、いま買ってきたばかりの本の中から一番薄いのを取り出して
とりあえず集中して1時間で読み終えた。

はぁーおなかいっぱい。完全な活字中毒症だ。
なんたって三度のメシより読書だ。もちろんそこにメシもあれば言うことない。
そうして満足してから友人宅へ出かけた。
行ってみるとみんなお酒を飲んでいて楽しそうな話をしながら迎えてくれた。
わたしもビールをすすめられたけど、家に帰ったらまた本を読もうと決めていたので
酔っ払って帰るのはどうしても嫌で、おなかの具合が悪いからといってお茶をもらった。

行く前は、本の話でも少しはできるかしらと淡く期待していたが
赤裸々なガールズトークが炸裂していて本のことなんて一言だって口にできなかった。
かわりにさんざん笑い転げて帰ってきた。

さあ、読書の時間だ!

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